21世紀はアジアの世紀だと言われています。ところが,日本は経済の停滞から抜け出せず,また責任ある政治指導の不在などもあって,日本の将来に関しては悲観的にならざるをえない人も多いでしょう。
ただし,希望がないわけではありません。本当の意味で日本と対等なパートナーとなりうる国が,アジアの中から登場してきていることです。すなわち隣国韓国の存在です。市場経済と民主主義という共通の価値観を共有し,ヨーロッパ統合を主導した独仏関係のような役割を,日韓関係がアジアの中で果たすことも今後は期待されます。もちろん,日本と韓国との間には歴史認識をめぐる問題が横たわっています。また,日本と北朝鮮との間にはいまだ国交がありません。どのような形で北朝鮮との国交を結ぶかは,日韓関係にも重要な意味を持っています。このように,日本と南北朝鮮との間には,過去から未来にわたる大きな課題と可能性が横たわっています。その課題に取り組み,その可能性を切り開くことに,世界,アジア,日本の21世紀がかかっていると言っても過言ではないでしょう。 |