担当科目(平成21年度)
1. 東京大学
- 言語情報科学演習 I, II(大学院総合文化研究科・言語情報科学専攻):音韻論・形態論に関する演習を行い,同時に論文作成の指導を行う。II では1年次の演習を踏まえ,音韻論・形態論に関する個別のテーマを取り上げて演習を行い,同時に修士論文作成の指導を行う。
- 言語情報科学特別演習 I, II(大学院総合文化研究科・言語情報科学専攻):音韻論・形態論に関する演習を行い,同時に論文作成の指導を行う。II では1年次の演習を踏まえ,音韻論・形態論に関する個別のテーマを取り上げて演習を行い,同時に博士論文作成の指導を行う。
- 言語科学基礎論 II(大学院総合文化研究科・言語情報科学専攻)(講義題目:音韻論入門):この授業のねらいは,言語学の基本的な方法論や思考法を音韻論を通して理解するとともに,この分野の基本的概念を身につけることと,身近な言語現象を自ら観察・記述・分析することで,問題設定から問題解決までの道筋を体験してもらうとともに,批判的検討ができるようにすることである。具体的には,こちらで用意する教材・プリントを用いつつ,1)日本語や英語を中心とした自然言語の音韻体系・音韻現象を観察しながら,そこに含まれる規則性や法則性を見い出せるようになること,2)見い出した規則性や法則性が,音韻論における理論によってどのように説明されるかについての基本的な知識や考え方を身につけること,3)日本語や英語のデータを主体的に観察・検討することにより,分析の問題点や改善法など応用的な諸問題を追及できること,などを目標とする。
授業の進め方は講義形式を採用し,指定教材を叩き台としてトピックごとに内容確認をしながら,配付するハンドアウトにより考察を深めていく。 あらかじめ教材を読んできていることを前提に話を進めるので,授業時には必ず指定範囲を読んでおくこと。なお扱うトピックは,「分節音に関する現象」「音節・モーラに関する現象」「アクセントに関する現象」など,広く深くカバーしたい。評価は出席数・授業中の適切な発言・最終日に行う(一夜漬けの効かない)試験によって行うので,それ相当の積極的な姿勢が望まれる。その他,詳細については初日に行うガイダンスにて連絡する。
なお,この授業は4つの言語学入門講義の1つであり,言語学分野で修士論文を書く場合には必修科目(1年次に履修)となっているが,言語学以外を専門とする学生で音韻論の基礎を身につけておきたいという学生の履修も歓迎する。ただし,一般言語理論演習 II との重複履修はできないので,内部進学生は注意すること。
- 一般言語理論演習 II(教養学部・言語情報科学分科)(講義題目:音韻論入門):この授業のねらいは,言語学の基本的な方法論や思考法を音韻論を通して理解するとともに,この分野の基本的概念を身につけることと,身近な言語現象を自ら観察・記述・分析することで,問題設定から問題解決までの道筋を体験してもらうとともに,批判的検討ができるようにすることである。具体的には,こちらで用意する教材・プリントを用いつつ,1)日本語や英語を中心とした自然言語の音韻体系・音韻現象を観察しながら,そこに含まれる規則性や法則性を見い出せるようになること,2)見い出した規則性や法則性が,音韻論における理論によってどのように説明されるかについての基本的な知識や考え方を身につけること,3)日本語や英語のデータを主体的に観察・検討することにより,分析の問題点や改善法など応用的な諸問題を追及できること,などを目標とする。
授業の進め方は講義形式を採用し,指定教材を叩き台としてトピックごとに内容確認をしながら,配付するハンドアウトにより考察を深めていく。 あらかじめ教材を読んできていることを前提に話を進めるので,授業時には必ず指定範囲を読んでおくこと。扱うトピックは,「分節音に関する現象」「音節・モーラに関する現象」「アクセントに関する現象」など,広く深くカバーしたい。評価は出席数・授業中の適切な発言・最終日に行う(一夜漬けの効かない)試験によって行うので,それ相当の積極的な姿勢が望まれる。
なお,この授業は基本的に修士課程学生のための入門講義(大学院の言語情報科学専攻の「言語科学基礎論 II」との合併科目)である。学部生の履修希望者は,あらかじめ「言語情報分析論」またはそれに相当する入門授業を履修していなければならない。その他,詳細については初日に行うガイダンスにて連絡する。
- 言語科学1(教養学部・言語情報科学分科)(講義題目:音体系と言語学):人間言語の構造や仕組みはランダムに決められているわけではなく,ある種の法則に従っている。それはどの言語の話者であれ当然のように獲得し,それに従って言語を用いているにもかかわらず,自然法則の場合と同様に普段意識されることは全くない。しかし,法則性があるからこそ,母語話者にとってその獲得に大差は見られないのである。ただし,その法則性には全ての言語に共通する部分(普遍性)と,言語ごとに異なる部分(多様性)があり,その異なる部分の決め方が言語の個性を形成している。
本講義では,こうした人間言語で成り立つ法則,特に人間の発する「音声」の分布や変化の法則を扱う分野(音韻論)の接近法を学ぶことを通して,現代言語学の目標や発想などを理解することを主眼とする。題材は日本語に観察される身近な音声現象を扱うが,適宜英語や他言語の現象も考察しつつ,人間言語の普遍性や多様性がどのように導かれるかについて講義したい。方法論も特定の理論に左右されない一般的なものを用いるので,前提知識は不要である。
毎回の授業の進め方としては,下記教材を叩き台として,指定範囲を読んでくることを前提に講義形式で話を進める。それと平行して,別プリントにて頻繁に補足し,議論を深めていきたい。話の流れにおいて,質問も大歓迎だが,指名も頻繁に行なう。積極的な参加を期待したい。
評価は,出席や発言など授業参加の積極性30%,小テスト20%,期末試験50%の配分にて決める予定。
教材は,Tsujimura, N. (1996/2007) An Introduction to Japanese Linguistics (Blackwell) の第3章 "Phonology"を使用する。
2. 大阪府立大大学(集中)
- 英米言語文化学特殊講義(大学院人間社会学研究科言語文化学専攻・人間社会学部言語文化学科):この講義では音韻論の魅力とおもしろさを,記述と説明の両面から受講者と ともに探っていきます。記述とは多様な現象の背後にある規則性の発見であり,その不思議さと発見の喜びには何とも言えない醍醐味があります。説明とは言語理論による規則性の解明であり,なぜ現象が起こるのかの「不思議」を「納得」に変えるという真相解明の醍醐味があります。
記述にはそれ自体に価値があり,必ずしもすぐに説明に至るとは限りませんが,納得できる説明があれば価値が高まります。しかし,言語理論による説明はしっかりとした記述が大前提であり,これがあって初めて価値が出てきます。そして,その説明が類型・獲得・社会的バリエーション・歴史変化などに適用できれば価値がさらに高まります。
研究者によって記述と説明のどちらに重点をおくかに違いはありますが,これらは車の両輪みたいなもので,この2つを兼ね備えてこそ言語研究は魅力とおもしろさで人を引き付け,過去から未来に向けて走り続けることでしょう。
そこでこの講義では,日本語や英語の音韻現象の観察・記述を通して,まずは受講者のみなさんに規則性の不思議を体験してもらいたいと思います。その一方で,音韻理論による説明が過去から現在までにどのように発展してきたか を解説し,不思議を納得に変えるプロセスも体験してもらいます。「へ〜,こんなことが起きていたのか」と「ああ,なるほど,そういうことだったのか」の両方を感じてもらえたら,ということです。
前提知識は問いません。音韻論の世界にどっぷりと浸かって,その魅力とお もしろさを探究していきましょう。
教科書:田中伸一(2009)『日常言語に潜む音法則の世界』(開拓社)
3. 新潟大学(集中)
- 英米言語概論 A(人文学部・地域文化課程英米文化履修コース):[概要] 人間言語で用いられる音の分布や配列は,一見複雑には見えるがランダムになされているわけではなく,ある種の法則に従っている。それは誰しも当然のように受け入れ,それに従って言語を用いているにもかかわらず,自然法則の場合と同様に普段意識されることは全くない。しかし,法則性があるからこそ,母語話者は言語音の分布や配列を難無くこなし,その獲得に大差は見られないのである。本講義ではこうした言語音に成り立つ法則を扱う分野 --- 音韻論の世界へと誘い,日本語や英語などの身近な言語現象を観察しながらいくつかの法則性について考察する。
[達成目標]
○科目のねらい
・言語学の基本的な方法論や思考法を音韻論を通して理解するとともに,この分野の基本的概念を身につける。
・身近な言語現象を自ら観察・記述・分析することで,問題設定から問題解決までの道筋を体験してもらうとともに,批判的検討ができるようにする。
・あわせて,音韻論がいかに身近な学問であるかを実感する。
○学習の到達目標
・日本語や英語を中心とした自然言語の音韻体系・音韻現象を観察しながら,そこに含まれる規則性や法則性を見い出せるようになる。
・見い出した規則性や法則性が,音韻論における理論によってどのように説明されるかについての基本的な知識や考え方を身につける。
・さらに,日本語や英語のデータを主体的に観察・検討することにより,分析の問題点や改善法など応用的な諸問題を追及できる。
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