名称 |
Low-First Model Vocabulary Builder |
概要 |
Low-First方式とは、中部大学の水野先生が考案された、学習項目の出題順序に関するアルゴリズムです。本ソフトは、VBAを使用して、Low-First方式およびその改良版を再現しました。
Low-First方式の詳細については、水野先生のホームページに詳しいのですが、ここでは、水野先生の御論文をもとに、ごく簡単に概要を申し上げます。
Low-First方式は、「学習時の再活性化量が多いほど、活性度の原則速度が緩やかになる」、「学習時の再活性化量と再生率は、ロジスティックな関係にあるため、再活性化量が一定に達すると、再生率は天井効果を示す」、「作業記憶容量が少ない学習者は、記憶活性度の減衰速度が速い」という認知心理学の知見に基づいて考案されたもので、以下の3つの原理から構成されています(水野
1999; 2001a)。
原理1 |
1セッションが終了するごとに、加重累積再生率(註)の低い順に項目を並び替え、次のセッションでの提示順序を変える |
原理2 |
加重累積再生率が一定に達した項目は除外する |
原理3 |
1セッションの誤答数に上限を設け、誤答の数が上限に達したら、まだすべての項目が提示されていなくても、そのセッションは終了とする |
註)加重累積再生率
加重累積再生率は、以下の式で求めることができます。
Pn = Σ
2-(n-i+1)
pi
(上の式中で、nは現在のセッション数、piはi番目のセッションでの当該項目の正誤(1/0)を表します)
Low-First Vocabulary Builderでは、Low-First方式を構成する3つの原理のうち、特定の原理をオフにしたり、加重累積再生率の学習終了基準や1セッション中の誤答数の上限を、任意の値に設定することもできます。
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公開予定 |
現在のところ、一般公開予定はありません。 |
研究 |
- 現在、本ソフトを使用して収集したデータに関して、修士論文を執筆中です。
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使用実績 |
- 2004年前期、某私立大学の公開講座において、データ収集のために使用されました。
- 2004年9月、某私立高校において、データ収集のために使用されました。
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