TCPはもともとは、Tsukuba Circle of Phonologists(筑波音韻論研究会)として、1988年に筑波大学の中に立ち上げられました。当初は、大学院生が修士論文や博士論文を書くための発表の場として作られたささやかな会でしたが、院生が修了して数々の大学に職を得るようになってから、筑波大学以外にもその範囲を広げ、徐々に規模を拡大して発展してきました。
会長の私が、2000年に明海大学に乞われて移った後も、しばらくは筑波大学で開かれていました。しかし、次第に東京で研究会が開催されるようになり、TCPはTokyo Circle of Phonologistsへと性格を次第に変えてきました。本会は、TCPが通称ですが、日本名は東京音韻論研究会へと変更することにしました。本部は、差し当たり、東京大学駒場キャンパスに置き、研究会等の活動は、東大のCOEの一部に組み込んでもらい活動を一段と広げることになりました。今後は、関東を中心とした東日本全体の音韻論研究者の交流の場に育て上げてゆくことにしたいと思っています。
本会は音韻論の研究に関心のある人すべてに開かれています。音韻研究に関心のある人、本会に入会したい人はぜひご連絡下さい。共に音韻研究を進展させましょう。我々の願いは、主として東日本における若い音韻論研究者を育てるとともに、音韻論研究において世界的な貢献を行い、ゆくゆくは東京学派と呼ばれるような研究成果をあげる組織に育て上げることです。幸い、東京地区には、目下、東京大学、筑波大学、千葉大学、茨城大学、東京都立大学(首都大学)、早稲田大学、上智大学、明海大学、青山学院大学、松蔭女子大学、東京家政大学などをはじめとする諸大学に、若手のプロダクティブな人材が揃っております。参加者もそのような大学の関係者です。
月例研究会、その他の催しを通して、我々の研究活動を活性化して、このような願いを実現してゆきたいと思います。国際的な催しや連携も小規模なものから始めて、ゆくゆくは大規模な国際会議を開くところまで発展させて行こうではありませんか。21世紀の音韻論研究の東洋の基地として、TCPが世界へのゲートウエー(Gateway)になる日が来るように、力を合わせて行こうではありませんか。新たな道を切り開くのは、一人一人の質の高い研究を行うこと以外にはないことも忘れずに。
未来に向けて共にGo!Go!
2004年5月5日 土浦の地にて
TCP会長 原 口 庄 輔
筑波大学名誉教授・明海大学教授