この研究会では,月例会やその他の企画により,様々な研究者や大学院生の 発表の場を提供したり内外の研究者を招聘したりするなど,互いに情報交換を 行うことを通して,関東地区の音韻論研究・教育の発展や,ひいては日本の音韻論研究・教育の質の向上を目指しています。研究レベルの向上を最重要視しているのはもちろんですが,啓発や啓蒙を行うことにより若手を育成し,底辺の拡大と底上げをすることもこの研究会の大切な機能であると考えています。ですから,経験豊かな研究者の発表や招聘発表も行いますが,特に大学院生の発表も,気兼ねなくやってもらうよう奨励しています。

発表分野は音韻論,音韻史,音韻理論が中心にはなります。しかし,枠組みや対象言語に制限はなく,理論系,実験系,記述系のいずれでも構いません。実験音声学・音韻論(調音音声学,音響音声学,聴覚音声学)など広く音に関する音声科学・認知科学も含みます。参加者の背景も,英語学などの外国語学,国語学,日本語学,方言学,社会言語学,心理言語学,一般言語学など様々です。特定の分野に閉じこもらずに広くアンテナを張ってこそ,「音」をめぐって専門分野や背景を越えて互いに啓発しあい,ひいてはこの分野の発展に繋がると参加者みんなが認識しています。

幸いにも,東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻の21世紀 COE<心とことば−進化認知科学的展開> からの共催も得ましたので,文字どおりこの研究会が日本の音韻論研究・教育の最先端の拠点として発展できればと思います。(ST)