ニュース
- 2020.4.28
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総説論文「The contact varieties of Japan and the North-West Pacific」を収録した編著書『Routledge Handbook of Pidgin and Creole Languages.』(Umberto Ansaldo & Miriam Meyerhoff共編) がロンドンのRoutledge 社の叢書「Routledge Handbooks in Linguistics」より出版されます。
担当した第6章では、北はロシア連邦サハリンから南は赤道のミクロネシアまで広がる北西太平洋地域の島嶼で生じた14種類の接触変種の研究を概説しています。幕末に設置された外国人居留地や戦後の米軍基地周辺でかつて使われていたピジン、現在の在日華僑、コリアン、ブラジル人などの移民言語、小笠原の混合言語やコイネーなど、日本国内の接触変種も概述しています。
- 2020.2.28
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研究論文「A restudy of postcolonial Palau after two decades: Changing views of multilingualism in the Pacific」が国際学術誌『Journal of Asian Pacific Communication』(Amsterdam: John Benjamins)の30周年記念特集号「Developments in Diglossic Settings in the Asian Pacific Region」(Marinus van den Berg 編) より刊行されます。
本稿は多言語社会パラオで20年前に行った言語調査の追跡調査を通じて、パラオ共和国で使われているパラオ語、日本語、英語の経年変化や言語政策の変遷、ダイグロッシアの安定性、見かけ上の時間調査の妥当性などを論じています。
- 2020.1.28
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研究論文「Nativisation in adolescent Palauan English: A discourse-pragmatic perspective」を収録した論文集『Proceedings of Methods XVI: Papers from the Sixteenth International Conference on Methods in Dialectology, 2017』がベルリンのPeter Lang社の叢書「Bamberg Studies in English Linguistics」より刊行されます。
本稿は若年層の会話データを基にパラオ共和国で使用される英語変種における「discourse markers (談話標識)」の分析を行い、パラオ英語がSchneider (2007)の提唱する「Dynamic Model (旧植民地における英語変種の形成段階に関するモデル)」の第3段階・土着化の局面に入ったことを論証したものです。同時期に収集した他の年齢層のデータや15年前に各年齢層より収集したデータと比較を行うことで、現在進行中の言語変化の可能性を示唆するとともに、その要因も論じています。
- 2019.2.28
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総説論文「Language variation and change」を収録した編著書『The Routledge Handbook of Japanese Sociolinguistics』(Patrick Heinrich and Yumiko Ohara共編) がロンドンのRoutledge社の叢書「Routledge Handbooks in Linguistics」より出版されます。
担当した第13章では、変異理論を用いた社会言語学研究の骨子と分析手法を概説し、そうした手法を用いた日本語変種に関する代表的な先行研究を紹介しています。国内の日本語変種だけでなく海外の日本語変種における音韻・音声、形態・統語レベルの変異と変化の研究を概述しています。
- 2019.1.28
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研究論文「Pancakes stuffed with sweet bean paste: Food-related lexical borrowings as indicators of the intensity of language contact in the Pacific」を収録した編著著『Food Across Cultures: Linguistic Insights in Transcultural Tastes』(Giuseppe Balirano and Siria Guzzo共編) がロンドンのPalgrave Macmillan社より出版されます。
担当した第7章ではパラオ語の「食に関する借用語」に焦点を当て、Thomason (2001) の「contact-induced borrowing scale (接触に誘発された借用語の尺度)」を用いた分析を行い、言語接触の度合いと借用語の進度における関係性を論じています。また、20代、40代、60代、80代の話者より収集したデータを基に借用語の意味変化を考察しています。
- 2018.3.28
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編著書『Micronesian Englishes』がDe Gruyter 社の叢書「Dialects of English」より出版されます。本編著書ではこれまで十分な研究がなされてこなかったパラオ、グアム、サイパン、コスラエ、ナウル、キリバス、マーシャル島で収集・作成した話し言葉コーパスを基に各島の英語変種の形成の歴史と構造、英語の地位を考察しています。本書はミクロネシア地域の英語変種を広範囲にわたって紹介する初めての研究書になるでしょう。
David Britain, Kazuko Matsumoto, Dominique Buerki, Tobias Leonhardt and Sara Lynch (eds.) (forthcoming) Micronesian Englishes (Dialects of English). Berlin: De Gruyter.
- 2018.2.28
家庭の事情(出産・育児・介護・故郷石巻を襲った東日本大震災)などで、情報を更新するゆとりがなく、しばらくの間ウェブサイトを閉じていましたが、やっと再開する運びとなりました。